Q&A:現時点の最新版を購入するか、次年度版を待つか

◎質問例◎
  • 『あたらしい公衆衛生』を受講したいのですが、新年度版があと3か月後に発売されるようです。この発売を待つか、それとも現在販売中のものを購入するか、悩んでいます。
  • 『あたらしい内科外科』と『あたらしい産小老』の2020年度版を受講しています。次に『あたらしいマイナー』を購入予定なのですが、すでに2020年度版の販売は終了しているようで、2021年度版しか手に入りません。科目間で年度がずれても大丈夫でしょうか?

 

まず、新年度版の作成にあたり、何が変わるのか、をお伝えします。改訂にあたって、大きく3つのポイントがあると思って下さい。
 ①最新回の国試で初めて出た知識
 ②より丁寧にイラスト等を追加して分かりやすくした部分
 ③各種学会ガイドライン改訂などで刷新された知識(これまでの国家試験では問われたことがない予想的側面)
このうち、①は『Update講座』で扱われます。そのため、毎年『Update講座』がリリースされるごとに受講の上、テキストを最新に保って下さい。
※『Update講座』についてはこちら

②③は『Update講座』にて扱いません。そのため、これを不安に思われる方が多いようです。結論を先に言ってしまうと、全く心配する必要はありません。その理由を以下で説明します。
②は過去年度の講座でもCBTと国試合格に対しては何の問題もありません。そもそもmedu4の講座に死角はありませんので、何年度版であっても②の観点から不足した事項が原因でCBTや国試で不合格になることはありえません
※CBTも国試も非常に多くの問題が出題されます。この総合得点で合否は決まりますので、戦略的には細かな1つ1つに拘泥する必要はありません。

③はもちろん今後の出題が予想されるわけですが、学会ガイドラインはタケノコのように毎年非常に多くが改訂されます。かつどれが今後出題されるかは誰にもわかりませんし、すべてを完璧にフォローアップすることなど無理です(こちらの記事も参照)。よって『高血圧治療ガイドライン』改訂のような重要なものを中心にTwitterブログで紹介することにしています。もっと言ってしまえば、過去問的知識が7割以上出てくる国試において予想的側面を追求しすぎるのはコスパが悪いですし、無視しても合否には影響しません。

その上で、次回リリースを待つか、それとも現状のものを購入するか、について解説します。
iPhoneの例でご説明させていただきます。iPhoneは毎年新しい機種が発売されます。
例えばiPhoneを買いたい人が、「今買うのはもったいない! 半年後には次のiPhoneが出るから、それまで待とう」と考えたとします。しかしながら、その決断は同時に、今すぐ買ってたら使えたであろう最新のiPhoneがしばらく使えないことを意味します。勉強や仕事、プライベートがその最新iPhoneを使うことで充実したはずです。でも、半年間のお預けを食らっており、古い携帯電話で凌がねばなりません。こういうことを機会損失〈逸失〉と呼ぶようです。

さて、最新版のiPhoneが発売されました。どうやら最新機種ではカメラ性能が1.5倍にパワーアップした模様です。
「ということは今の自分のiPhoneのカメラ性能は少し悪いのか」......とどうしても悲観的に考えてしまいますよね。気持ちはわかります。
が、果たして我々はそこまでの高画質のカメラ性能を求めているのでしょうか。そりゃ、1.5倍美しいカメラのほうが良いっちゃよいのですが、バージョンアップ前のカメラになにか不満はありましたか? 全然現状のカメラでも美しく撮影できていませんか? 我々の目に歴然とした違いはわかるのでしょうか?
この例によらず、将来の予想できない事項に関して、結果が出た後に後出しジャンケン的に悲観し、憂うというのは残念な姿勢に思います。今を全力で生き、今を充実させることが大切なのではないでしょうか?

古い機種と新しい機種を同時に選ぶことができ、かつ値段が同じなのであれば迷うこと無く新機種を買うべきです。
また、具体的に半年後のモデルでは何が変わるのかが事前にわかっており、かつ自分がそれを欲しているなら待つべきです。
が、資本主義の原理からして、そのようなことはありえません。新機種が出たタイミングで旧機種は値下げされたり販売停止になります。新機種で予定されるバージョンアップ内容をあまりに早期に告知しすぎると現状のバージョンが売れなくなりますから、全世界のどの企業もそのような告知はしません。
よって「なんとなく良さそうなものが半年後に出るっぽいから待つ」ということになりますが、これは単なるアクションの先延ばしにすぎず、本末転倒です(半年後でもよいものは正直必要ないものであることが多く、それはつまり買わなくてよいものです)。

少々脱線しましたが、医学の勉強も同じです。次のバージョンまで待つ間、学習開始できず知識なしに過ごす機会損失の方が大きいです。
医学的知識は非常に膨大で、早期に学習開始された方が実力を向上させやすいという紛れもない事実がございます。
すなわち、次年度版を待つのではなく、現行のバージョンでなるべく早期に学習をスタートすることを推奨いたします。
受講してレベルアップした視点からはまた新たな目標が見えるはずです。
そうしたら、その時点でまた自分に必要な最新の教材を購入すればよいのです。

また、2つ目の質問に付きまして、科目間で年度がズレるのは問題ございません
必要となった時点で最新の講座をお求め下さい。
※ただし、科目間で年度がズレた場合、一部科目のみに対して『Update講座』が必要といった現象に遭遇します。その点のみご留意下さい。

◎まとめ◎

  1. 医学の勉強は早期に開始した者が勝つ仕組みになっている。
  2. そのため、次の年度版を待つ時間がもったいない(機会喪失になりライバルに水を開けられてしまう)。
  3. よって講座が必要となったその時点で、最新の講座を購入するのがオススメ。
  4. 科目間で年度がズレても問題ない(Updateの対象がズレることだけ注意)。